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29: 遺産分割・遺産管理費用
H29.8.4
相続が開始してのちの固定資産税の支払い、家屋の修理費・改築費、火災保険料の支払等につき、誰が負担するか、負担した場合に誰に請求できるかが、
遺産管理費用として問題となります。「相続財産に関する費用」(民法885条)を根拠に、相続財産の負担として、遺産分割に際し、共同相続財産から清算されるべきとする判例もあります。
しかし、遺産管理費用は、相続開始後に生じた債務負担の問題であって、遺産とは性質を異とするとして遺産分割の対象とされず、共同相続人が相続分に応じて負担すべきであり、管理費用を支出した者は、
他の相続人に対して償還費用の請求を別途民事訴訟によって解決すべきとする見解が有力です。もっとも、管理費用の内容について特段の対立がなく、
これを遺産分割の手続の中で精算する旨の合意が相続人間でできるのであれば、管理費用を遺産分割手続の中で考慮することができるとするのが実務の運用です。
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