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トピックス# 32: 取締役・退職慰労金
H29.10.6
 退職慰労金は、任務を終えた取締役に対し支払われるものですが、在職中の職務執行の対価として支給される限り、報酬等の一種であり、 定款ないし株主総会決議により額を定めなければならないとされています(会社法361条)。これは、取締役が自らの報酬を過大に得ること(いわゆる「お手盛り」)を防止し、 株主を保護するための規定です。ところで、定款ないし株主総会決議による額の決定がない限り、退任取締役は退職慰労金の支給を受けられないとすると、現経営陣と対立したという理由で、 退職慰労金を受けられない事態が生じ得ます。そうした退任取締を救済するために、@取締役の地位のほか従業員としての地位を認め(いわゆる「兼任取締役」としての地位)、 従業員部分に限って退職慰労金の支払請求を認める、A退職慰労金の支給という期待を裏切り、その人格的利益が侵害されたとして、不法行為責任に基づき一定の支払を認める、 B株主総会決議はないものの、全株主の同意があると認められる場合には、退職慰労金の支給に関する株主総会決議がなされたものと擬制して退職慰労金の支給を認める、等の判例があります。

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