トピックス#
44: 建物区分所有法・管理費の滞納・競売の請求
H30.5.20
マンションの管理費が滞納した場合、滞納管理費を回収するのは必ずしも容易ではありません。建物区分所有法(正式名称「建物の区分所有等に関する法律」)は、
その回収の方途として同法7条及び59条を用意しています。ところで、同法7条により先取特権または確定判決に基づいて滞納者の専有部分の区分所有権及び敷地利用権を競売にかけたとしても、
優先する担保権のため無剰余の場合には、競売手続が取り消されてしまいます(民事執行法63条)。他方、同法59条に基づく競売については、民事執行法63条の適用がなく、
無剰余であっても競売手続きが取り消されることはありません(東京高裁平成16年5月20日決定)。ただし、建物区分所有法59条の請求が認められるためには、
「@共同利益背反行為(6条1項)による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、かつ、A他の方法によってはその障害を除去して共用部分の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難である、
という実体的要件が必要となります。これを認めた裁判例として、東京地裁平成17年5月13日判決、東京地裁平成19年11月14日判決、東京地裁平成22年11月17日等があります。
一方、実体的要件を満たしていないとして請求を棄却したものとして、東京地裁平成18年6月27日判決があります。
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