トピックス#
52: 会社法・取締役会の設置
H30.9.9
平成17年制定の会社法により、株式会社であっても非公開会社(発行する全株式について譲渡制限を定款に定めている株式会社)である限り、
取締役会を設置するか否かは任意に選択できるようになりました。取締役会が存在しない場合、株主総会が、会社の組織や運営・管理に関するあらゆる事項を決定する権限を有することとなります
(会社法295条1項)。そして、株主総会で決定した事項を執行機関である取締役が執行するのです。具体的には、役員の選任・解任のみならず、株主による株式譲渡の承認決議、
取締役の競業取引や利益相反取引の承認なども株主総会の権限とされます。すなわち、取締役会非設置会社では、株主による株式譲渡等の事態が生じるたびに株主総会の開催が必要になるわけです。
他方、取締役会を設置した場合、業務上の意思決定は株主総会ではなく取締役会の権限に移行し、たびたび株主総会を開催する必要がなくなります。前述の株式の譲渡承認決議や取締役の競業取引・
利益相反取引の承認決議以外にも、@重要な財産の処分・譲受け、A多額の借財、B支配人その他の重要な使用人の選任・解任、C支店その他の重要な組織の設置・変更・廃止、D社債の募集に関する重要事項、
Eいわゆる内部統制の整備、F役員等の会社に対する責任の取締役会による免除、Gこれらと同等の重要な業務執行、H特別支配株主の株式等売渡請求の承認、I代表取締役の選定・解職等が、
取締役会の決議事項となるのです。もっとも、取締役会を設置するためには、取締役は最低でも3名必要ですし(会社法331条5項)、監査役を置く必要があります(会社法327条2項)。
いずれにしても取締役会を設置することの利点は、株主総会の決議事項を削減して、株主総会を開催することの煩わしさを回避することにあると言えます。例えば、外部株主が多く、
たびたび株主総会を開催することが困難という場合には、取締役会を設置することが得策です。
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