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55: 離婚・年金分割制度
H31.1.20
年金分割には、2つの制度があります。平成19年4月から開始された合意分割制度と平成20年4月から始まった3号分割制度です。
前者は、夫婦間の合意を前提として、合意が成立しない場合は家庭裁判所が按分割合を決定し、離婚時に保険料納付済み額を分割することができる制度です。後者は、
妻が離婚時に年金事務所に請求すれば、妻が専業主婦等となっていた期間につき、夫の厚生年金の保険料納付済み額の2分の1を自動的に分割することができる制度です。
わが国の年金制度は、3階建の建物に例えられます。全国民を対象とする1階部分が基礎年金(国民年金)であり、2階部分が報酬に比例して支給する厚生年金・旧共済年金です。 3階部分には、企業年金(厚生年金基金・確定給付企業年金・確定拠出年金)が位置付けられています。離婚時年金分割制度は、2階部分の厚生年金保険についての分割制度であり、 3階部分の企業年金は財産分与の対象となります。 合意分割の対象となる当事者は、第1号改定者と第2号改定者と呼ばれます。第1号改定者は、厚生年金保険の被保険者であり、合意分割により年金を分割される側の人を指します。 第2号改定者は、第1号改定者の配偶者であった人で、分割を受ける側の人を意味します。国民年金保険法の第3号被保険者(主婦など)に限らず、第1号被保険者(自営業者など)、 第2号被保険者(被用者年金の被保険者)も含まれます。これに対し、3号分割の当事者は、厚生年金保険の被保険者であり、年金分割をされる側が特定被保険者と、 その配偶者として分割を受ける側が被扶養配偶者とそれぞれ呼称されます。被扶養配偶者は、国民年金法の第3号被保険者であった者(主婦、非正規社員で年金保険未加入者など)に限られます。 なお、平成29年10月1日以降は、被用者年金一元化法の施行により、従来共済年金に加入していた国家公務員、地方公務員、私立学校の教職員も、厚生年金に加入することとなり、 2階部分は厚生年金に統一されています。 |
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