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トピックス# 65: 財産開示手続
R02.5.21
 債務者の財産を開示させる必要性から平成15年に財産開示手続制度が創設されました。ただし、あくまで債務者自身にその財産を開示させることを基本としていたため、 実効性が十分ではありませんでした。そこで、民事執行法が改正され、第三者に情報を開示させる手続が可能になりました。@債務者の不動産に関する情報の取得(新法205条)、 A債務者の給与債権に関する情報の取得(新法206条)及びB債務者の預貯金債権等に関する情報の取得(新法207条)の3つの手続が新設されたのです(施行日は令和2年4月1日です)。
 @は、債務者が所有権等の登記名義人となっている土地または建物についての情報の開示を登記所に対して求めることができる手続です。手続の前提として財産開示手続が実施されていることが必要です。 そして、当該財産開示期日から3年以内に申し立てることができます(新法205条2項)。
 Aは、債務者の給与債権に関する情報の開示を、市町村、日本年金機構及び共済組合等に対して求めることができる手続です。手続を申し立てることができるのは、 養育費の請求権または人の生命もしくは身体の損害による損害賠償請求権について執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者に限定されています(新法206条1項)。 @と同様に、財産開示手続の実施を前提とし、当該財産開示期日から3年以内に申し立てることができます(新法206条2項、205条2項)。
 Bは、預貯金や株式等に関する情報の開示を、銀行等や証券保管振替機関等に対して求めることができる手続です。@及びAと異なり、債務者に対する財産開示手続の実施を条件とするものではありません。 また、申立を認容する決定は、@及びAと異なり、債務者に送達されず執行抗告もできないことから、決定により直ちに効力を生じます。このように財産開示手続を先行する必要がなく、 また、申立認容決定の送達が不要とされ直ちに効力を生じるとされているのは、預貯金等の流動性の高さが考慮されたためです。

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