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トピックス# 67: 相続・特別寄与者・特別寄与料
R02.9.20
 相続人ではないものの、相続人の親族であって、被相続人に対する療養看護その他の労務の提供により被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした者を特別寄与者といいます。 特別寄与者は、相続が開始した後、相続人に対し、寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)の支払いを請求できることとなりました(改正民法1050条1項)。 特別寄与者は、遺産分割手続とは別の枠組みで相続人に対して特別寄与料の支払を請求できる仕組みです。特別寄与者と相続人間で協議または調停が調わなければ、 最終的には家庭裁判所の審判によることとなります。そして特別寄与料の請求権は、協議・調停または審判によってはじめて形成されるのです。
 特別寄与者にあたるのは被相続人の親族であり、相続人でない者に限定されています。親族であっても、相続の放棄をした者等は特別寄与者からは除外されます。
 特別の寄与は、「被相続人に対して、療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をしていた」ことが要件とされます。 寄与分(民法904条の2)と異なって、療養看護型・労務提供型・扶養型の寄与は対象になるものの、財産出資型の寄与は排除されています。
 請求の相手方とされた相続人に対して有する個別の請求権の決定のみが審判事項であり、相続人が複数いる場合であっても、必ずしも共同審判による必要はなく、 特別寄与者の全相続人に対する請求額の総額決定が審判事項になるものではない、と解されています。
 特別寄与料の請求には短期の期間制限があって注意が必要です。特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6か月を経過したとき、または相続開始の時から1年を経過したときは、 特別寄与者は家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができなくなります(民法150条2項ただし書)。
 特別寄与者以外の者による貢献の考慮としては、@被相続人との委任契約に基づく費用償還請求権(民法650条1項)、 A被相続人または相続人に対する事務管理を理由とする有益費用償還請求権(民法702条1項)、B被相続人に対する不当利得返還請求権(民法703条、704条)等に基づく請求方法があります。

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